大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和45(あ)2255 判決

主 文

原判決中「当審における未決勾留日数中、八〇日を原判決の刑に算入す

る。」。との部分を破棄する。

検察官のその余の部分に対する上告を棄却する。

理 由

検察官の上告趣意について。

記録によれば、被告人は、本件窃盗の事実について、起訴前の昭和四五年四月九

日、勾留状の執行を受け、その後一、二審を通じて引き続き勾留されていたもので

あるが、これよりさき同三九年二月二九日、被告人は、横浜地方裁判所において、

強盗致傷、横領の罪により懲役六年に処する旨の判決言渡を受け、同判決は同年七

月二日確定し、被告人は即日刑の執行を受け始め、同四四年一〇月一七日仮出獄を

許されたけれども、同四五年五月二一日仮出獄を取り消されて同日より残刑の執行

を開始され、その後引き続き原判決言渡に至るまで右刑の執行中であつたところ、

被告人は、本件一審判決に対し同年六月二七日控訴を申し立て、原裁判所は同年一

〇月二八日右控訴を棄却するとともに、原審における本件未決勾留日数中八〇日を

一審の言い渡した本件に算入する旨の判決を言い渡したものであることが認められ

る。

そうすると、被告人に対する原審の未決勾留の全期間は、右確定判決による残刑

の執行と重複することになるから、原判決中原審の未決勾留日数を本刑に算入した

部分は、論旨引用の当裁判所の判例に反して刑法二一条を適用した違法があり、こ

の点に関する論旨は理由がある。

よつて、刑訴法四〇五条二号、四一〇条一項本文、四一三条但書により、原判決

中「当審における未決勾留日数中、八〇日を原判決の刑に算入する。」との部分を

破棄し、その未決勾留日数を算入しないこととし、原判決のその余の部分に対する

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検察官の上告は、上告趣意としてなんらの主張がなく、したがつてその理由がない

ことに帰するから、同法四一四条、三九六条によりこれを棄却し、訴訟費用は、同

法一八一条一項但書により被告人に負担させないこととし、裁判官全員一致の意見

により、主文のとおり判決する。

検察官山室章 公判出席

昭和四六年五月二〇日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 岩 田 誠

裁判官 大 隅 健 一 郎

裁判官 藤 林 益 三

裁判官 下 田 武 三

裁判官 岸 盛 一

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